エゾシカ ニュース
道内の市街地でエゾシカの出没が目立ち始めている。
個体数の増加で、これまでも農作物を食い荒らしたりする
農林業被害は続いているが、市街地にまで頻繁に出入りす
るほど事態は深刻化しているようだ。
路上を駆け回るだけでなく器物破壊などの被害も相次ぐが
、市街地に出没した際の対応は各自治体に委ねられている
のが現状で、抜本的な対策には至っていない。
事態を重く見た札幌市では,ようやく今年度、
シカの侵入経路などの調査に乗り出した。【和田浩幸】
市区政課によると、シカ出没の通報件数は、
07年度16件▽08年度32件▽09年度32件--に上り
今年度は7月末現在で既に14件寄せられている。
山林から河川を伝って出没するケースが多く、
繁殖期を迎える夏~秋に件数が増加するという。
捕獲に駆け付けたことがある市の担当者は
「シカは体が大きい上に足が速い。
無理に捕獲しようとして刺激するのは危険。早急に対策が必要だ」
と訴える。深刻なのは、元々被害の多かった帯広市や釧路市といった
道東だけでなく、札幌市や小樽市など道央の市街地でもここ数年、
シカ出没が相次ぎ、警察などが捕獲に乗り出す騒動になっていることだ。
■飛躍的増加
道自然環境課によると、道内のエゾシカは80年代後半から増え始め、
ここ数年で飛躍的に増加。
地球温暖化で越冬しやすくなったことなどの原因が指摘されており、
推定される生息数は、01年度の48万頭から
09年度は64万頭まで膨れあがった。
生息域も道東から大雪山系西側へと拡大し、道南と道央の一部を含む
「南部地域」へも広げつつある。
道では、道東地方を中心に山林と農地をさくで分離するなどの対策を講じ
農林業被害額は96年度の約50億円をピークにいったん減少傾向。
04年度には約28億円まで改善されたが、
05年度から再び被害が拡大し始め、09年度(速報値)は、
ピーク時に並ぶ約50億円の被害が確認されている。
道は雌ジカの捕獲を無制限としたり、狩猟期間を延長するなどの規制緩和
を進めているが、個体数増加に歯止めがかからないのが現状だ。
同課は「まずは個体数を減らすことが優先で市街地対策まで手が回らない」
と話している。
こうした状況を受け、札幌市では今年度、独自の対策に乗り出した。
国の補助金を活用した野生動物の調査費(7700万円)を当初予算に盛り込み
5月から臨時職員31人を雇用。市内の山林や河川などで、
シカのふんや木の皮をはいで食べた痕跡などを調査し、
市街地への侵入経路の特定を急いでいる。
11月末までに調査結果をまとめ、侵入経路にさくを設けたり、
出没した際のマニュアルを各区役所に配布するなどの対策を講じる。
市区政課の高橋求・生活安全担当係長は「これまではマニュアルもなく、
出没する度にその都度対応をしてきた。
個体数を減らさなければ根本的な解決にならないが、その前に、
目の前の危険を回避する必要がある」と説明している。
◇農林業被害防止 道のさく整備、追いつかず
農林業被害を防ぐため道が進めてきた対策が、山林と農地を分離する金網
(高さ2~3メートル)のさくの整備。
95年度以降、上川、十勝、釧路、オホーツク、根室など道東を中心に整備
してきたが、08年度からは空知や留萌地方などでも着手した。
道食品政策課によると、08年度のシカによる農林業被害額は約40億円で、
内訳は牧草47%▽ビート11%▽水稲8%▽小麦6%▽バレイショ6%--
09年度末までに整備されたさくの総延長は約3800キロにも達し、
国の補助金を活用した総事業費は約140億円に上る。
それでも、個体数の急増に整備が追いつかず被害は拡大し続けている。
同課は「さくが一定の効果を発揮するのは事実。
しかし、さくの切れ目から侵入したり、さくのないところまで移動する。
現状はいたちごっこの繰り返し」と頭を抱える。
道は今年度から、専門家による捕獲方法の検討を始めたが、
抜本的な解決策に乏しいのが実情だ。
というニュースをみて思うところだが、有効利用対策が問題解決に
なることを、しっかり受け止めていただきたいと思う。
では、食肉としての有効利用も実際、食卓に並ぶまでのイメージ
マーケットづくりと意識づけが不可欠だと感じる。
たんに、鹿肉料理の紹介や商品開発が有効利用につながるとは
まったく理解しがたい。 何とか有効資源として利用しようと
しているのであれば、愛情をもって取り組んでほしいと
切に願うところでもある。
同じエゾシカを扱う者として、思うところである。
個体数の増加で、これまでも農作物を食い荒らしたりする
農林業被害は続いているが、市街地にまで頻繁に出入りす
るほど事態は深刻化しているようだ。
路上を駆け回るだけでなく器物破壊などの被害も相次ぐが
、市街地に出没した際の対応は各自治体に委ねられている
のが現状で、抜本的な対策には至っていない。
事態を重く見た札幌市では,ようやく今年度、
シカの侵入経路などの調査に乗り出した。【和田浩幸】
市区政課によると、シカ出没の通報件数は、
07年度16件▽08年度32件▽09年度32件--に上り
今年度は7月末現在で既に14件寄せられている。
山林から河川を伝って出没するケースが多く、
繁殖期を迎える夏~秋に件数が増加するという。
捕獲に駆け付けたことがある市の担当者は
「シカは体が大きい上に足が速い。
無理に捕獲しようとして刺激するのは危険。早急に対策が必要だ」
と訴える。深刻なのは、元々被害の多かった帯広市や釧路市といった
道東だけでなく、札幌市や小樽市など道央の市街地でもここ数年、
シカ出没が相次ぎ、警察などが捕獲に乗り出す騒動になっていることだ。
■飛躍的増加
道自然環境課によると、道内のエゾシカは80年代後半から増え始め、
ここ数年で飛躍的に増加。
地球温暖化で越冬しやすくなったことなどの原因が指摘されており、
推定される生息数は、01年度の48万頭から
09年度は64万頭まで膨れあがった。
生息域も道東から大雪山系西側へと拡大し、道南と道央の一部を含む
「南部地域」へも広げつつある。
道では、道東地方を中心に山林と農地をさくで分離するなどの対策を講じ
農林業被害額は96年度の約50億円をピークにいったん減少傾向。
04年度には約28億円まで改善されたが、
05年度から再び被害が拡大し始め、09年度(速報値)は、
ピーク時に並ぶ約50億円の被害が確認されている。
道は雌ジカの捕獲を無制限としたり、狩猟期間を延長するなどの規制緩和
を進めているが、個体数増加に歯止めがかからないのが現状だ。
同課は「まずは個体数を減らすことが優先で市街地対策まで手が回らない」
と話している。
こうした状況を受け、札幌市では今年度、独自の対策に乗り出した。
国の補助金を活用した野生動物の調査費(7700万円)を当初予算に盛り込み
5月から臨時職員31人を雇用。市内の山林や河川などで、
シカのふんや木の皮をはいで食べた痕跡などを調査し、
市街地への侵入経路の特定を急いでいる。
11月末までに調査結果をまとめ、侵入経路にさくを設けたり、
出没した際のマニュアルを各区役所に配布するなどの対策を講じる。
市区政課の高橋求・生活安全担当係長は「これまではマニュアルもなく、
出没する度にその都度対応をしてきた。
個体数を減らさなければ根本的な解決にならないが、その前に、
目の前の危険を回避する必要がある」と説明している。
◇農林業被害防止 道のさく整備、追いつかず
農林業被害を防ぐため道が進めてきた対策が、山林と農地を分離する金網
(高さ2~3メートル)のさくの整備。
95年度以降、上川、十勝、釧路、オホーツク、根室など道東を中心に整備
してきたが、08年度からは空知や留萌地方などでも着手した。
道食品政策課によると、08年度のシカによる農林業被害額は約40億円で、
内訳は牧草47%▽ビート11%▽水稲8%▽小麦6%▽バレイショ6%--
09年度末までに整備されたさくの総延長は約3800キロにも達し、
国の補助金を活用した総事業費は約140億円に上る。
それでも、個体数の急増に整備が追いつかず被害は拡大し続けている。
同課は「さくが一定の効果を発揮するのは事実。
しかし、さくの切れ目から侵入したり、さくのないところまで移動する。
現状はいたちごっこの繰り返し」と頭を抱える。
道は今年度から、専門家による捕獲方法の検討を始めたが、
抜本的な解決策に乏しいのが実情だ。
というニュースをみて思うところだが、有効利用対策が問題解決に
なることを、しっかり受け止めていただきたいと思う。
では、食肉としての有効利用も実際、食卓に並ぶまでのイメージ
マーケットづくりと意識づけが不可欠だと感じる。
たんに、鹿肉料理の紹介や商品開発が有効利用につながるとは
まったく理解しがたい。 何とか有効資源として利用しようと
しているのであれば、愛情をもって取り組んでほしいと
切に願うところでもある。
同じエゾシカを扱う者として、思うところである。
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